完成された外構に満足してデザイン・機能性が優れ、使い勝手がよく癒される空間ができるだけで良いのでしょうか?
見た目だけでは気付かない耐久性・安全性がとても大切です。トレドが現在取り組んでいることは亜鉛メッキ鉄筋を使用しての施工です。

耐久性 Durability   安全 Safety   安心 Relief 

ブロック積にトレドが亜鉛メッキ鉄筋を使用する理由

ブロック積みに用いる鉄筋の役割

ブロックをただ積み上げても、積み木と一緒でちょっとした衝撃でバラバラになります。そのブロック積に鉄筋が入ると、1枚の板が出来上がり、バラバラになることはありませんが「パタン」と倒れる可能性が高いです。
そこで、ブロックを積み上げる下を掘削して砕石を入れ、地面を堅固に締め固めた上にブロック積の土台となる「ベースコンクリート」を設置してブロック積が倒れないようにしなければなりません。土台となるベースコンクリートと上部のブロック積が一体化していないと意味がないため、ベースコンクリートの中から鉄筋をL字に曲げて立ち上げてブロック積との一体化をします。そうすることによって、倒れないブロック積となります。他にもブロック積を行う際の目地モルタルがありますが、これは接着が目的であり強度が出るものではありません。
引っ張り強度に強い鉄筋によってブロック積が倒れないのです。

ブロック積み内部の鉄筋・モルタル

前項で申したように、ブロック積の施工で大きな役割を果たしているのが鉄筋です。
鉄筋は塀の強度を増し転倒防止に必要なものですが、ブロックの空洞部分にセメント1、砂2.5の割合(1:2.5)のモルタルを充填し、横筋のピッチを400mm以内、縦筋のピッチを800mm以内に配筋するだけでなく、配筋の位置がとても重要になります。
配筋するブロックの空洞部分は小さく鉄筋のサビを防ぐために必要とされているモルタルの被り厚20mm(※)での施工はかなり難しく、モルタルの完全な充填も空洞部分が小さなために大変困難です。被り厚の不足などの場合は20年以内にサビが発生して、ブロック塀の崩壊の要素となり兼ねないのです。
そんなことが起こらないようにトレドでは亜鉛メッキ鉄筋をすべてのブロック積施工に使用しています。崩壊すると危険なこともあるブロック塀だからこそ安全で安心していただくために、亜鉛メッキ鉄筋での施工が必要です。

※(社)日本建築学会コンクリートブロック塀設計規準7条

鉄筋のサビ

前項で説明したように、ブロック積みの場合では、ブロックの空洞部分が小さいため完全にモルタルを充填することができないことや、被り厚が確保できないといった理由により20年以内に内部の鉄筋が錆びてしまいます。鉄筋は錆びると約2.5倍に膨れ上がり、ブロックの破損に繋がります。

亜鉛メッキ鉄筋を使うことは、本当に高いのでしょうか?

トレドでは、ブロック積では令和4年の夏から、土間コンクリートでは令和5年の夏からすべての施工現場で、普通鉄筋から亜鉛メッキ鉄筋に使用資材を変更し施工しています。ブロック積(39cm×19cm)の配筋は、縦筋80cm以内の間隔、横筋は40cm以内の間隔で施工するとブロック1本当り約51cmの鉄筋が使われ、土間コンクリートの場合はピッチ30cmの配筋で1㎡当り※約1.4本の鉄筋を使用します。(※1本の長さは5.5m)

※亜鉛メッキ鉄筋の価格は材料+輸送費、これらの変動で変わることがございます。上記で示すように、わずかな値上がりですが、そのわずかな価格差で大きな耐久性・安全性を得ることができ、安心できるのです。

亜鉛メッキ鉄筋は決して高くない。

亜鉛メッキ鉄筋の価格差は運搬される場所、量により変わります。例えば中京から長野にD10(長さ5.5m/本)を1,000本運んだ場合、通常鉄筋との価格の違いは約250円。(鉄筋自体の値段は常に変動していますので、多少の差はあります。)
ブロック塀に使われる鉄筋の間隔を縦筋80cm以内、横筋40cm以内の配筋で、例えば約40cm×20cmのブロック積施工を行う場合のブロック1本当りに使われる鉄筋を多めにして考えます。計算すると約56cmの鉄筋が使われることになります。価格にするとブロック1本当り25円程高くなるので、10本積むと250円程です。この価格差は本当に高いのでしょうか?
ブロック積は、ブロック・砂・セメント・鉄筋を使用し施工します。普通鉄筋を使用せず亜鉛メッキ鉄筋を使用することで、普通鉄筋施工で20~30年と考えられる耐久性が、トレドが使用するJIS規格最高品質のHDZT-77ですと約80年という耐久性・安全性を得ることができます。これが高いということになるのでしょうか。わずかな価格差でとても大きな安心を手に入れることができるのです。

トレドでは、すべてのブロック塀・土間コンクリートに亜鉛メッキ鉄筋を使用しています。

防錆に最適な鉄筋は?

溶融亜鉛めっき

サビに一番優れている鉄筋はステンレス性のものですが、価格が普通鉄筋の10倍ほどなので使用しづらいです。エキポシ樹脂塗装鉄筋は、亜鉛めっき鉄筋より20%以上価格が高く、デメリットとしてあげられるのが、わずかな衝撃・曲げでも樹脂が剝がれ防錆に適さなくなります。防錆鉄筋の中で、亜鉛めっき鉄筋が一番安価で、曲げ加工で鉄筋は剥がれますが犠牲防食作用により表面が保護されるので安心です。また、エキポシ樹脂性のものと違い、再生が可能で環境に優しい製品です。

『溶融亜鉛めっき鉄筋と一般的な鉄筋』

亜鉛めっき鉄筋が溶けるスピードは、1年で1ミクロン。
亜鉛めっき鉄筋の皮膜厚は80ミクロンですので、少なくとも約80年は錆びない鉄筋という事になります。トレドでは、JIS規格最高品質のJIS H 0401 HDZT-77を使用しています。

構造物の中に入ってしまうので、外からは内部が見えず効果がどのようなものかは数十年後にわかると思います。
その時に「亜鉛めっき鉄筋を使用してよかった」と言える製品です。

耐久性を向上させるめっき鉄筋4つの効果

塩害対策

めっき鉄筋は、通常の普通鉄筋と比べ、海塩粒子などの塩化物に対して、耐久性倍率が3~4倍向上するとの報告があります。


腐食対策

めっき鉄筋は、鉄よりも腐食電位が低い亜鉛と鉄・亜鉛合金属の強固な皮膜で覆われているため、犠牲紡織作用が働き、塗膜を被覆させた鉄筋(以下エキポシ鉄筋)と異なり、皮膜の不具合で局部的に腐食することはほとんどありません。

耐加熱性

めっき鉄筋は、耐加熱性に優れ、鉄筋が過熱されてもエキポシ鉄筋のように皮膜の軟化や炭化がなく、火災などの加熱によるコンクリートとの付着が低下するといったリスクを低減することができます。

取り扱い

めっき鉄筋は、一般的な普通鉄筋と同じ方法で取り扱うことができ、現場への輸送、現場施工中に皮膜を保護する特別な注意を必要としません。

さらに特化した作用

『犠牲防食作用』
亜鉛皮膜が欠損して鉄素地が露出しても、その周囲の亜鉛が鉄より先に溶け出し電気化学的に保護するため、鉄をサビから守ります。
塗装皮膜または、クロム、ニッケル、錫などの金属皮膜にはこのような作用はありません。

トレドで使用している亜鉛メッキ鉄筋は環境に優しい。

環境保全に向けた新技術「ピュアZ」製品を使用しています

ピュアZは、RoHS指令基準値を完全にクリアした鉛レス・カドミウムレス高純度溶解めっきです。(JISH8641に準拠)溶融亜鉛めっきの持つ優れた防食性能は保持しつつ、環境負荷物質を抑制した環境に非常に優しいめっきですので、あらゆる分野における環境対応商品の防錆処理にご活用いただけます。
※RoHS指令とは、特定有害物質の使用制限に関するEUの法律です。日本語では「有害物質使用制限指令」と呼ばれています。

徹底した防錆対策

『切断面の保護材』
切断面の保護材として、トレドでは亜鉛めっき鉄筋の切断面には亜鉛含有量96%以上の高濃度亜鉛末塗料(有機ジンクリッチペイント)を使用し防錆対策を行っています。また、鉄筋同士を結束する結束線も亜鉛めっきが施された結束線を使用しています。
上段が亜鉛めっきの結束線、下段が通常の結束線です。違いは一目瞭然です。