雑木の剪定(初夏と冬)

今の時代、家を建て、駐車場をつくれば小さなスペースしか残らない、という家が多いと思います。

そんなスペースだからこそ何本かの樹木を植えてみて下さい。「小さな庭」の誕生です。

小さな庭でも、四季の移り変わりを教えてくれます。

樹木はいらない、樹木は年々大きくなって困る、などありますが、樹木を剪定によりコントロールし、適期に適切な作業をすると、しなやかで美しい樹形を長期間維持できます。

葉の数を増やさない❕幹を太らせずに維持する。

落葉樹(コナラ)ように成長のスピードが比較的早いものが多く、育つとぐんぐん幹が太くなります。しなやかな細い幹の状態を維持するには、木を太らせないことで、そのためには栄養分をつくる葉を増やさないことが重要なポイントです。

木全体の葉の枚数を増やさないためには、枝ごと、葉を切り落とすのが効率的です。

しかし、枝の途中から先端だけをブツ切りにしてしまっては、ダムをつくり一気に放流したような細かい枝が増え、自然な枝振りからはかけ離れてしまいます。

しなやかな枝を残したまま、一定の成長ペースで雑木を維持するには、枝を間引くように、毎年冬に全体の1/3程度の枝を剪定するのが重要だと思います。

 

シダレザクラ剪定前
シダレザクラ剪定前

シダレザクラ剪定後
シダレザクラ剪定後

 

初夏の剪定は、春先の急激に新しい枝が伸びているころではなく、伸びが落ち着いて葉が展開してから行います。伸長期に切ると、多数の芽が噴き出すことがあるので注意します。

古い主幹の少し下から姿のよい胴吹き枝やふところ枝が伸びてきたら、その上の位置で古い枝を切り戻し、主幹を更新させます。こうすると樹冠が二回りくらい小さくなり、木全体の生長を抑えやすくなります。花木の剪定は花後すぐに、古い主幹を更新します。

このように枝先ばかり止めずに、現状よりも二回りくらい小さな樹冠にするイメージで下のほうから伸びている若くて細い枝を主幹に差し替える剪定を勧めます。

 

樹形を維持できれば、小さな庭でも植栽を楽しめると思います。